こんにちは。ポテトチップス王子です。
皆さんプリングルズのポテトチップスを一度は食べたことがあるかと思います。
愛らしいキャラクターと色々なフレーバーで人気のプリングルズは、スーパーで見かけるとつい購入したくなってしまいますよね。
そんなプリングルズのポテトチップスですが、厳密にはポテトチップスではないという主張があることをご存知でしたでしょうか?
その理由と、この主張に関する議論について解説していきたいと思います。
目次
プリングルズとは?
プリングルズがポテトチップスではないという主張に関する話題の前に、プリングルズについて一度復習してみたいと思います。
140カ国に展開する有名ポテトチップスブランド
プリングルズとは、アメリカのケロッグ社(2012年まではP&G社)が開発・販売を行なっている、ポテトチップスのブランドとなります。
プリングルズブランドのポテトチップスは1968年のアメリカでの販売開始以来、瞬く間に世界中に展開するようになり、今では世界140カ国以上で販売されている有名ブランドとなっています。
ちなみに、プリングルズの正式名称は「プリングルス」ではなく「プリングルズ」ですので、発音する際には気をつけるようにしましょう。
多様なフレーバー(味)の種類
プリングルズの特徴として、多種多様なフレーバー(味)が用意されていることが挙げられます。
世界各地で多くのフレーバーが発売されており、全てを数え上げることが困難ですが、100〜200種類は平気で到達しそうな勢いです。
中には、季節限定や一部の国と地域限定のフレーバーも発売されており、例えばイギリス・アイルランド限定でなぜか「ワサビ味」のプリングルズが発売されていたこともあったようです(笑)。
皆さんも旅行先でプリングルズの珍しいフレーバーを見かけたら、旅の思い出やお土産として購入すると良いかもしれませんね。
特徴的な梱包と形状
もう一つ、プリングルズに特徴的なのはその梱包と形状です。
他の大多数のポテトチップスが袋詰めされているのと異なり、プリングルスは筒状の箱の中に、一枚ずつ綺麗に積み重なるようにポテトチップズが封入されています。
この梱包、有機化学者のフレデリック・バウアーが考案・設計したもので特許も取得されているという、かなり気合の入ったパッケージのようです。
フレデリック・バウアーが死去された際には、なんと遺灰の一部がプリングルズの筒に入れられて埋葬されたとのことですので、パッケージに対する並々ならぬ愛着を感じますね。
プリングルズがポテトチップスでは無いという主張の理由
さて、ここまでプリングルズについての基本的な情報について書いてきましたが、プリングルズがポテトチップスではないと言われるのはどのような理由からなのでしょうか。
その主な理由として、プリングルズの原材料と製造方法が挙げられます。
プリングルズの原材料のうち、ジャガイモの使用量は全体の42%程度であり、残りはとうもろこし粉、小麦粉、植物油、味付け用の塩と香料で構成されています。
また、製造方法も、それらの原料を混ぜた上でチップス型に整形して焼き上げる形をとっています。
そのため、一枚一枚の形を同じように作ることが可能になり、あの特徴的な梱包包の中に綺麗に積み重ねることが出来るのです。
こうしてみると、単にジャガイモをスライス・味付けして焼き上げるポテトチップスとは異なる存在であると言えるかもしれません。
プリングルズがポテトチップスでは無いという主張に関する議論
この「プリングルズはポテトチップスかそうでないか?」という問題はお国(とプリングルズ自体)にとっては重要なポイントのようで、アメリカとイギリスではその扱いについての議論が巻き起こっています。
アメリカにおける議論
1975年にアメリカのFDA(食品医薬品局)は、プリングルズ(当時は「ニューファングルドポテトチップス」という商品名でした)を製造していたP&G社に対し、ある条件を満たさない限り、商品名に「チップス」を使うことを禁止しました。
その条件とは、商品名の中に「乾燥ポテトなどを原料としたポテトチップス」という文言を含むことでした。
通常のポテトチップスとは製造方法が異なるにもかかわらず、通常と同じ「ポテトチップス」の名を名乗ることについては、FDAとしても問題だと考えたようです。
さすがに商品名にそのような文言を入れるのは憚られたP&G社は、「チップス」という名を使うことを諦め、代わりに「クリスプ」という名称を使うことに決めたようです。
この事件が元で、元々の「ニューファングルドポテトチップス」から今の「プリングルズ」に変わったと思うと感慨深いですね。
イギリスにおける議論
2007年から2009年にかけて、「プリングルズはポテトチップスかそうでないか?」という問題について、P&G社とイギリス当局は裁判所で争っています。
なぜなら、イギリスではポテトチップスなどの嗜好品には高率のVAT(日本で言う消費税)が掛けられており、一方でビスケットなどの生活必需品には軽減税率が適用されているためです。
今の日本の消費税に関する軽減税率と考え方は似ていますね。
そのため、税金の負担を軽くしたいP&G社は、「プリングルズがいかにポテトチップスと異なるか」という点を主張し裁判を戦ったのです。
高裁ではP&Gの主張が認められ「プリングルズはビスケットである」との結論になりましたが、2009年の最高裁で逆転敗訴し、結局は「プリングルスはポテトチップスである」との結論となってしまいました。
この決定により、P&G社は1億6千ドルに及ぶ巨額の未払い税を支払う羽目になったということです。
この問題は英国のBBCでも取り上げられるなど、なかなか大きな問題になったようです。
結論:一般消費者は気にせず食べよう
さて、いかがでしたでしょうか。プリングルスがポテトチップスではないという主張の理由とそれにまつわる議論の内容についてご理解いただけたでしょうか?
その特殊な製法のせいで、色々な国の制度に悩まされてきたプリングルス、なんだかかわいそうな気もしてしまいますね。
とはいえ、僕たち消費者にしてみれば美味しければポテトチップスだろうがそうで無かろうがどちらでも良いというのが本音なのではないでしょうか。
これからプリングルズを買うときは、こういった複雑な大人の事情に目を向けてみてはいかがかと思います。
以上、「プリングルスはポテトチップスではない?理由について解説」の記事でした!